金的について

金的とは

 元々は神社における祭礼において、五穀豊穣、無病息災を願う神事としておこなわれており、金的を悪霊や災いに見立てそれを射止めることで厄を払うというものでした。
 的は直径1寸8分の的枠に金色の的紙を貼った文字どおり金色の的。的の大きさは各地で違い、弓道会で使用しているものもこれより少し大きいです。
 また、弓を引く作法もそれぞれの地域に伝えられている方法で行っています。
 月例会で余興の一つとして金的を行っていますので、その方法について簡単に説明します。
 なお、時間短縮のため簡略化していたり、年月の経過により変化している部分があります。
 他の地域で引く際は、その地域の作法に従うようにして下さい。

射手の要領

 弓道会では「一光 甲乙通り(いっこう はやおとどおり)」で行っています。
 一光とは金的を一つかけること。甲乙通りは一本ひいて、誰も中らなかった場合はもう一本引くことができます。
 本来は一射場で行いますが、時間短縮のため複数射場(6から9射場)に的をかけ、同時打ち起こしで行います。
 参加者は一手を持って入場します。矢を二本持っていますが、一度に二本を引かず一本引いたら退場します。
 最初に中った人が一番金となります。
 なお、的中者がでても参加者全員が一巡するまで続け、二番目以降に中った人も金的中者となります。
 甲矢で中りがでたら、一巡して終了です。
 甲矢で的中者が出なかった場合は、乙矢で三光(的を三つに増やす)にしてもう一巡します。
  的に中ったら(中ったと思った場合も ← 積極的にアピールしましょう!)、安土に向かって向きを変え、その場で跪坐をして的前の確認を待ちます。
 中っていた場合は、的前よりその旨の口上があります。
 その後、新しい的を掛けますので的面の傾き(光具合)を射場から確認します。
 光具合が悪い場合は、「もう少し伏せて」とか「起こして」などと指示を出します。
 よさそうだったら、次の射手に「よろしいですか?」と確認し、「結構です」と的前に伝えて退場します。

的前の要領

 的は尺二的(36cm的)の中心と同じ高さにかけます。
 その立の全員が射終わったら、中りを確認します。
 的蹴りや振動による的の落下、履き中りも的中とします。
 中っていた場合、幕の外にでて一礼し、白扇があれば拡げ、「おめでとうございます」と口上を述べます。
 その後、的に矢が刺さったまま(矢を抜かずに)的を取り外し、新しい的をかけます。
 射手の指示にしたがって、的の傾きを調整します。
 取り外した的は穴を広げないよう、注意して取り扱います。
 的に刺さっていなかった場合(蹴り中りなど)は、的を外すときに的に矢を刺します。
 外した的と矢を公文席に持ち運びます。

祝的の儀式

的中者の作法 

 的中者は作法に従って、公文から金的と褒美を受取ります。
 懐に弽(ゆがけ)を入れ、乙矢を右手に持ち(女性は弽(ゆがけ)と矢を一緒にもつ)三方(さんぽう)の前の座布団に手前から座ります。
 乙矢の矢じりを座布団の下に隠し、弽(ゆがけ)取り出して自分の右側に置きます。
 両手をついて礼をします。【写真1】
 公文が口上を述べたあと、三方に的と矢を載せて差し出しますので、引きずらないように少し持ち上げて手前に引き寄せます。
 左手で上から的と矢を一緒につかみます。【写真2】
 左の手のひらを上に向けて矢の向きを反転します。【写真3】
 右手の手のひらを上にして矢を掴み、三手繰り(3回まわしながら)で右に矢を引き抜きます。【写真4】
 右手で乙矢を一緒にもち、的の裏側から、矢尻で破れ目を整えます。【写真5】
 的を左側、矢座布団の右側の下に矢じりを隠して置きます。
 三方を持ち上げ、右回りで180度向きをかえ公文に返します。
 三方に褒美が載せられたら、手前に引き寄せて受け取り、また向きをかえて返します。
 最後に両手をついて礼をして、的、矢、ゆがけ、褒美をもって退席します。

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

※ 写真では撮影の都合上、公文と的中者の位置を入れ替えています。実際は公文席側に公文が座ります。

公文の作法

 三方と座布団を用意します。
 三方に的と矢を載せます。
 三方の向きは継ぎ目が相手側、的と矢は矢先が自分の右手側。
 射手が座布団に座り準備が出来たら一礼します。
 「おめでとうございます」と口上を述べ、的と矢を載せた三方を相手に差し出します。
 三方が返ってきたら、持ち上げて手前に引き寄せ、右回りで180度向きを変えて、褒美を載せて相手に差し出します。
 再び三方が返ってきたら礼をして終了します。